平成24年度『カシス研究』助成公募の結果、3件の研究が対象に

日本カシス協会では、カシス産業とカシス文化のさらなる発展をめざし、カシスに関する研究開発や技術開発に助成を行っています。平成24年度の助成対象となったのは3件。多くの応募を頂いた中から、弘前大学・講師の冨澤登志子先生、岐阜県立岐阜農林高等学校3年生の早瀬瞭さん、八戸高等専門学校・助教授の山本歩先生の、3件の研究テーマが選ばれました。

喫煙とカシス

喫煙後の抗酸化食品摂取(カシス)による血管内皮機能および酸化ストレスへの短期的影響に関する研究

弘前大学・講師 冨澤 登志子先生

研究目的

動脈硬化は喫煙などの危険因子により生じると考えられている。血管の最も内側にある「内皮」の拡張機能の低下は、加齢や喫煙などで動脈硬化が促進された際に、最も早く出てくる変化。そこで、抗酸化物質を多く含むカシスを摂取した場合、血管内皮機能や酸化ストレスへはどのように影響を与えるのかを調べる。

研究概要

FMD/サーモグラフィ/尿検査の3点について、喫煙群(男子大学生10名)、非喫煙群(男子大学生10名)の経時変化を測定する。

鶏卵の生産向上とカシス

乾燥カシス絞りカスを給与した鶏卵の生産

岐阜県立岐阜農林高等学校3年 早瀬 瞭さん

研究目的

乾燥カシスを鶏の飼料に加えることで、産卵率の向上や高付加価値の作出を目指し、廃棄されるものであった絞りカスの有効活用を狙う。過去の実験で飼料に乾燥カシスを添加したところ、卵黄色が濃くなる、卵白と卵黄が分離しにくくなるなどの変化が見られたため、さらに鶏の生理機能や卵の成分への変化を検証する。

研究概要

乾燥カシス絞りカスを給与した鶏卵の卵重量・産卵率・卵黄色・卵殻強度・卵殻厚・卵黄高・卵白高、ハウスユニットを毎週1回調査する。さらに食味調査、成分分析、血液検査、各種アンケートを実施する。

放射線生物影響とカシス

放射線生物影響に対するカシスの防護効果の検討

八戸工業高等専門学校 物質工学科 助教 山本 歩先生

研究目的

カシスの日常的摂取により、大きな関心を集めている放射能の生物影響から細胞や生体を防護することが可能か検証する。放射能によって生じるがんの原因であるDNA損傷や突然変異、染色体異常にカシスがどのように作用するかを調べ、将来的には放射線防護サプリメントへ展開するための基盤研究として位置づける。

研究概要

ヒトリンパ芽球由来培養細胞を用い、DNA損傷の検出、染色体異常の検出、突然変異の検出を実施。カシスのDNA損傷・染色体異常・突然変異抑制効果を明らかにする。

カシスに関する研究開発および技術開発を推進し、国内においてよりよい製品・サービスを生み出すカシス産業に寄与するとともに、国内外におけるカシスの食品機能性の認知度向上に貢献する研究内容を広く公募し、審査選考し優れたものに助成するもの。

助成対象者
大学等(大学院、大学、短期大学、高等専門学校、大学附属研究所、大学共同研究機関、国公立研究機関等をいう)においてカシスに関わる研究活動を行う個人及び団体
すばらしい研究結果が出ることをきたいしています!
研究期間
採択通知日から1年間
助成金額
40万円