緑内障の進行を抑制に効果を発揮

カシスアントシアニンによる
緑内障進行抑制作用の新たなエビデンスを発表!!

第26回 日本緑内障学会(平成27年9月11日~13日)にて、井上眼科病院の井上賢治院長をはじめとする研究グループより『カシスによる正常眼圧緑内障患者に対する視野障害進行の抑制効果』について発表が行われました。日本人の失明原因第一位である緑内障の進行を食い止めるために、また一つ、カシスの新たな可能性が示唆される発表となりました。

臨床試験概要

カシスアントシアニンの緑内障進行抑制研究

わが国では、世界に先がけた、カシスアントシアニンの緑内障進行抑制作用の研究が行われています。そして、その中心を担ってきたのが札幌医科大学・大黒浩教授をはじめとする研究グループです。

2年間におよぶ緑内障進行抑制の臨床試験を実施

札幌医科大学眼科学講座の大黒教授グループは『カシスアントシアニンの緑内障性視神経障害に対する効果』の臨床試験を実施。 この臨床実験により、アントシアニン摂取による「目の血流の増加」、「眼圧上昇の抑制」さらには「視野障害進行の軽減」が認められ、カシスが緑内障の進行を抑制するサプリメントとして有用なことが示唆されました。

大黒 浩先生

札幌医科大学 眼科学講座 教授
日本カシス協会 特別会員

大黒 浩先生



緑内障進行抑制を実証

臨床実験の対象は緑内障視野障害が初期から中期(視野ステージ)の患者38名。19名ごとの2グループに分け、一方のグループにはカシスアントシアニン50mgを含む試験食品を、もう一方のグループにはカシスアントシアニンを含まないプラセボ(偽薬)食品を2年間、標準的な緑内障の治療とともに毎日摂取していただきました。眼圧と血圧は1~2ヵ月ごと、視野とレーザースペックルによる視野経乳頭および乳頭周囲の網脈絡膜血流は6ヵ月ごとに測定。カシスアントシアニンまたはプラセボの割り付けは2年間の経過観察を終了するまで、被験者・試験者ともに不明にする二重盲検法で行いました。

その結果、カシスの驚くべき効果が明らかになりました。

50mgのカシスアントシアニンがもたらす驚くべき効果とは?

2年間におよぶ試験で最終的に観察できたのはカシスアントシアニン・グループが19名、プラセボ・グループが19名。試験開始時における年齢・性別・眼圧・緑内障病期は両グループで有意差はありません。 上のグラフが示すように、緑内障の進行状況をみるのに最も重要とされる全体的な視野障害の程度を表すMD値では視野低下を抑制し(図1)、目の血流の増加=改善(図2)がみられました。

臨床試験概要

眼圧上昇の抑制

カシスアントシアニンは眼圧もコントロールする

そして、このほど新たに発表されたのが、カシスと眼圧の因果関係についてです。カシスを摂取したときとそうでない場合の眼圧の変化を、 健常な人(図3)と緑内障患者(図4)でそれぞれ比較しました。その結果、健常な人ではカシスの摂取で眼圧が上がる傾向にある緑内眼圧の低下が認められました。また、眼圧が上がる傾向にある緑内障患者において、 眼圧の上昇がた抑えられたことが確認されました。図4の新たな研究の対象は臨床試験に協力していただいた緑内障患者のうち、点眼薬を数種類使用している患者を除き、1剤のみで治療している正常眼圧緑内障患者21名(カシス摂取群12名、プラセボ摂取群9名)となっています。

眼圧上昇の抑制

緑内障とは?

厚生労働省研究班の近年の調査によると、緑内障は日本における失明原因の第1位を占めています。日本緑内障学会による大規模な調査(多治見スタディ)では、40歳以上の日本人の緑内障有病率は5%という結果に。つまり40歳以上の日本人には、20人に1人の割合で緑内障患者がいるということになります。この有病率は年齢とともに高まっていくことが知られており、70歳以上では約8人に1人の割合で緑内障患者がいるとの報告も。そして、日本の少子高齢化にともない、今後ますます緑内障有病率が高まっていくことが懸念されています。
さらに、日本緑内障学会の調査で明らかになった緑内障患者のなかで、それまで緑内障と診断されていたのは全体の約1割。つまり、緑内障と気付かずに過ごしている人が多くいるということが判明しています。

日本人の失明原因(疾病別)

緑内障とは何らかの原因で視神経に障害をきたし、視野(見える範囲)が狭くなる病気です。日本緑内障学会のガイドラインでは「視神経と視野に特徴的変化を有し、通常、眼圧を十分に下降させることにより視神経障害を改善もしくは抑制しうる眼の機能的・構造的異常を特徴とする疾患である」と定義。一般的には眼圧が上昇し視神経が圧迫され、視神経に障害をきたし視野狭窄が始まる疾患と考えられています。
眼圧とは、眼の中にある房水とよばれる液体の圧力のこと。房水は血液の代わりに栄養を運んだり、圧力によって眼の形状を保ったりする働きがあります。 緑内障の予防や進行抑制において、この眼圧をコントロールすることが重要な手段となってきます。

眼球水平断面図

緑内障の進行は基本的に緩やかなので、初期段階では視野障害があっても自覚しないことがほとんど。自覚症状で気付いたときには、視野や視力の悪化がかなり進行しているということが多いのです。そこで、日頃から緑内障の検査や予防を心掛けることが重要になってきます。
そのうえ緑内障の進行は常に一方通行であり、
現状では一度喪失してしまった視野は治療で回復することがありません。緑内障の進行をくい止めるためには、眼圧を低くコントロールすることが最も有効な手段とされています。治療法としては、薬物療法・レーザー治療・手術などが一般的ですが、これらの治療は回復ではなく進行を抑制することが目的です。

また、近年では正常眼圧でも緑内障を発病する例が多く見受けられていますが、その
正常眼圧緑内障においても眼圧を低下させることが有効であると認められています。

眼圧分布と緑内障性視野障害発現率