ピントフリーズにカシス

ピントフリーズに効果てきめん!

パソコンのモニターなどを凝視しながら作業をしていると、ふと遠くを見たときに、ピントが合わずに視界がかすんだ経験は誰にもあると思います。いわゆる「ピントフリーズ現象」と呼ばれるものです。これは、目の中の「毛様体筋」という、ピントを合わせるための筋肉が、肩こりなどと同じように凝った状態になり、目の焦点の調節がきかなくなって、一時的な近視状態になってしまうためです。

カシスに含まれる「カシスアントシアニン」は、このピントフリーズ状態を改善するはたらきがあると言われています。その効果を見てみましょう。

実験
カシスアントシアニンのピントフリーズの抑制効果について

実験
方法
弱度の近視である21人(平均年齢20.9歳)にカシスアントシアニン50mgを含むドリンクと、含まないドリンク(プラセボ)を飲んでもらいました。その後、被験者の目が一時的な近視状態になるような強度の視覚負荷作業として、パソコン作業を2時間やってもらい、それによって引き起こされるピントフリーズ状態の抑制効果を調べました。

結果
作業前と作業後の屈折度数の平均値を比較してみると、カシスアントシアニンのドリンクを飲んだグループは作業後でも屈折値の低下はみられず、作業前後で有意差も認められませんでした(作業前-0.432±0.602D、作業後-0.402±0.643D、p=0.598) 。一方、プラセボを飲んだグループは、作業後の屈折値低下が大きく、一時的な近視化が進んでいる状態が認められました(作業前-0.384±0.536D、作業後-0.503±0.579D、p=0.064)。

この差は、作業前後の変動値の平均を比べるとより明確で、カシスアントシアニングループ(-0.030±0.252D)に比べてプラセボグループ(0.119±0.278D)の変動は大きく、両者間には有意な差(p=0.006)が認められました。
この結果は、パソコン作業時に、カシスアントシアニンを摂取してから作業した場合、摂取していないときに比べて、一時的な近視化が抑制されることを示しています。

注)統計的検定に関する危険率(p=0.05以下) は、統計学的な有意差があると判断できます。

カシスアントシアニンを摂取したグループは摂取していないグループよりも屈折率の低下が少なく、近視化が抑制されていました。これはカシスアントシアニンを摂取すると、「コリ」状態にある毛様体筋がほぐれ、弛緩されることによって、ピントフリーズ状態が改善されるためと考えられます。したがって、カシスアントシアニンは、長時間にわたるパソコン作業など近点凝視作業によるピントフリーズの予防と改善に有効であると考えられます。