カシス(黒房すぐり)栽培の要点

青森市農業指導センター・あおもりカシスの会

本サイトのお問い合せで、最も多い内容がカシスの栽培に関する質問でした。そこで「青森市農業指導センター・あおもりカシスの会」で行われているカシス(黒房すぐり)栽培の要点をご紹介いたします。

カシス(黒房すぐり)栽培の要点

生態 作業名 作業上の要点
発芽期(3月下旬~4月上旬)

冬囲い除去

施 肥

◆適期作業の実施

  • 発芽が早く、収穫までの期間が比較的短いので、施肥など適期に作業を行う。

◆結果習性

  • 自家結実性で、新梢の腋芽に花芽が着生し、翌春に開花結実する。
展葉期(4月下旬)

苗木定植

◆苗木の定植

  • 苗木は、購入苗又は挿し木・取り木苗等を養生し、2~3年生を植付ける。
  • 植付けは春植え、栽植距離は2m×2.5mの1a当たり20本植えを基準とする。
  • 植え穴は、直径60cm、深さ30cmとし、堆肥6~7kgと溶成燐肥約150gを表土と混和して施し、その上に表土を入れ、根を四方に広げてやや深植えにする。植え終わったら、軽く土を押さえかん水し、根元に敷き草等をして乾燥を防ぐ。
    植え付け後に晴天が続き降雨がない場合は、適宜かん水する。

◆施 肥

  • 肥料は、消雪後すぐに株の周辺に施し、土と撹拌する。
  • 果実の生育期間が短いため、全量を基肥で施用し、樹勢が弱い場合は、2割を追肥として、収穫後に施用する。
  • 肥料の種類は、一般の畑用・果樹用のいずれでもよいが有機質入り肥料を主体とする。
  • 地力増進のため、秋に株元へ堆肥・石灰質肥料を施用する。
    堆肥は100kg/a(1株当たり約4kg)、石灰質肥料は5kg/a(1株当たり約200g) を2~3年おきに施す。
    (pHは5.5~7.0程度とされているので、石灰質肥料の入れ過ぎに注意する)
〔1樹当たり施肥量(g/樹当たり成分量)〕
区 分 2年生以下 3~5年生 6年生以上
窒 素
燐 酸
加 里
10
6
8
35
25
35
50
40
50
開花期(5月上旬)

中耕・除草

◆中耕・除草

  • 収穫までに3~4回生育の促進と除草を兼ねて、中耕する。根が浅いのでトラクターでの耕起は軽く行う。
  • 収穫後もできるだけ除草する。
  • 乾燥に弱いため敷き草等で株元を覆い乾燥を防ぐ。
果実肥大期

中耕・除草

収穫期(7月中旬)

収穫・選果

◆収穫・選果

  • 過熟になると落粒しやすいので、成熟した果実から2回程度に分けて収穫する。
  • 果実の果梗を取り除き、未熟果や混入物を除いて出荷する。
  • 果実は貯蔵性に乏しく、変質しやすいので、選果後、速やかに冷蔵保管する。
    (常温では2日程度しか貯蔵性がなく、ビニール袋に入れての常温保管は厳禁)

中耕・除草

施 肥

10

整枝剪定

◆整枝・剪定

  • 整枝・剪定は休眠期(冬囲い又は発芽の前)に行う。
  • 株の根元から毎年新梢が発生するので、そのうち勢いの強いものを3~4本ずつ残す。
  • これを繰り返すと4~5年で15本程度の主軸枝が得られ、成木の樹形となる。
  • その後は5年生以上の古い主軸枝を地ぎわから切除し、この樹形を維持する。
  • 主軸枝の配置は、1株で内側が4~5本、外側が9~10本程度とする。
  • 込み合っている枝は整理し、株元まで日光が届くようにする。
  • 外側の枝は、若いうちに切り詰めて、丈夫な主軸枝を育成する。
  • 極端な強い剪定はしない。

◆病害虫の防除

  • 収穫までに3~4回生育の促進と除草を兼ねて、中耕する。根が浅いのでトラクターでの耕起は軽く行う。
  • 収穫後もできるだけ除草する。
  • 登録農薬が少ないため、やむを得ず防除する場合には専門機関に相談する。

◆生態

(観測地:青森市四戸橋 農業指導センターほ場)
区 分 発芽期 展葉期 開花期 収穫期
7ヵ年平均
(H3~H10)
3月24日 4月21日 5月17日 7月
13~20日
11 冬囲い

冬囲い(結束)

◆冬囲い

  • 秋の落葉後に、縄を軽く締めながら巻き付け、上部に雪がのらないようにする。