平成23年度・24年度『カシス研究』助成によりカシスがヒト細胞のゲノムDNAを守ることを発見!

~日本カシス協会『カシス研究』助成成果報告

日本カシス協会が平成23年より行っている『カシス研究』への助成。
平成23年度、24年度の助成対象となった八戸工業高等専門学校 物質工学科の山本歩助教の研究により、 様々なストレスによって生じる遺伝子の異常をカシスが抑制するということが明らかになりました。

八戸工業高等専門学校 物質工学科

山本 歩 助教

カシスはゲノムディフェンダー食品になりえるか?

「ゲノムディフェンダー食品」とは、様々なストレスから遺伝子の損傷を守り、がんや生活習慣病の予防につながる食品のこと。山本助教は、出芽酵母という微生物やヒトの培養細胞を用いて、カシスエキスがDNAの損傷や異常を抑制することができるかどうかについて実験。様々なストレスによって生じる遺伝子の異常をカシスが抑制することを明らかにしました。

ヒトへの効果も実証。
放射能の影響についても研究中。

さらに、カシスが有している遺伝子異常の抑制効果が「ヒト細胞」でも発揮されるかどうかについても調査を進めます。
研究にはヒトのリンパ芽球由来の培養細胞を用い、活性酸素の一種である過酸化水素(H2O2)によって誘発されるDNA損傷・染色体異常・細胞内活性酸素に対するカシスの抑制効果を調査。その結果、カシスエキスは、過酸化水素によって生じる遺伝子の異常や細胞内の活性酸素を大きく減少させることが明らかになりました。この効果は加熱したカシスから抽出したカシスエキスでも確認されており、ジャムなどの加工カシスでも健康効果が期待されます。

現在、この効果が、放射線によって生じる遺伝子の異常に対しても有効かどうかの研究を進めている山本助教。「非常に大変興味深い結果が得られており、近日中に皆様にご紹介できるものと思います」(山本助教)とのコメントも寄せられています。

図1 カシスエキスによるDNA損傷抑制効果

図2 カシスエキスによるDNA損傷抑制効果

※この研究の成果は「Protective effects of raw and cooked blackcurrant extract on DNA damge induced by hydrogen peroxide in human lymphoblastoid cells」Ayumi Yamamoto, Kana Nakashima, Saori Kawamorita, Atena Sugiyama, Masanori Miura, Yoshihiro Kamitai and Yoji Kato として「Pharmaceutical Biology」に掲載予定です。