平成25年度『カシス研究』助成公募の結果、4件の研究が対象に

日本カシス協会では、カシス産業とカシス文化のさらなる発展をめざし、カシスに関する研究開発や技術開発に助成を行っています。
平成25年度の助成対象となったのは4件。
多くの応募をいただいた中から、東京家政学院大学・准教授の奈良一寛氏、弘前大学大学院保健学研究科・助教の藤田俊文氏、静岡県立大学・助教の伊藤聖子氏、八戸工業高等専門学校物質工学科・助教の山本歩氏の研究テーマが選ばれました。

カシスの機能性を活かした調理加工方法の検索

カシスに最も適した調理加工法とは?

東京家政学院大学 生活デザイン学科 食品加工学研究室 准教授 奈良 一寛 先生

研究の背景と概要

カシスアントシアニンおよびビタミンCは光や熱に対して不安定な性質を持つ。加工品の製造工程における果実中のアントシアニンの量的、質的変化やビタミンC含量の変化について十分に把握するため、様々な加熱操作および加熱時間における機能性成分含量の変化を調査し、調理加工前後における機能性評価を行う。

カシスアントシアニン摂取が運動時の循環動態および代謝機能に及ぼす影響

運動後の負荷軽減にカシスの抗酸化力は有効か!?

弘前大学大学院 保健学研究科 助教 藤田 俊文 先生

研究の背景と概要

運動負荷によるストレスの軽減や疲労物質の除去にビタミンCやビタミンEを補給することがみられるが、これらの抗酸化物質が運動負荷に与える影響については不明瞭な部分も多い。そこで、血流改善効果や強い抗酸化力が実証されているカシスアントシアニンを摂取し、運動負荷後の筋循環動態・代謝機能、その他の生理学的変化を観察。有効性を検証する。

カシス多糖と機能性成分に及ぼす加熱調理の影響と安定性について

カシス由来の多糖を活用し安全で環境に優しい食品を

静岡県立大学 食品栄養科学部 助教 伊藤 聖子 先生

研究の背景と概要

ベリー類のジャムやワインの加工には、アントシアニンの安定性を保持するためフラボノイド類や多糖類の添加処理が行われる。カシスは食物繊維が多く、カシス由来の多糖には様々な生理機能や品質保持効果が発見されている。そこでカシス多糖と機能性成分のアントシアニンおよびアスコルビン酸の加熱調理における変化を追跡し、添加物に頼らない安全な加工処理を研究する。

in vivo試験系を用いた喫煙による遺伝子損傷に対するカシスの機能性評価

タバコによる遺伝子損傷にカシスのちからを応用

八戸工業高等専門学校 物質工学科 助教 山本 歩 先生

研究の背景と概要

日本人の死因トップであるがん。中でも肺がんは第一位となり大きな問題となっている。喫煙によって生じるDNA損傷・染色体異常・突然変異はがんや生活習慣病の原因となっている。カシス抽出エキスの日常的摂取によって、喫煙に起因するこれらさまざまな生物影響を抑制することが可能かどうかについて、マウスを用いたin vivo試験を実施して検証する。

カシスに関する研究開発および技術開発を推進し、国内においてよりよい製品・サービスを生み出すカシス産業に寄与するとともに、国内外におけるカシスの食品機能性の認知度向上に貢献する研究内容を広く公募し、審査選考し優れたものに助成するもの。

助成対象者
大学等(大学院、大学、短期大学、高等専門学校、大学附属研究所、大学共同研究機関、国公立研究機関等をいう)においてカシスに関わる研究活動を行う個人及び団体
すばらしい研究結果が出ることをきたいしています!
研究期間
採択通知日から1年間
助成金額
年度総額で100万円